夜遅くまで働くアシスタントを見ていると心苦しい

美容師の卵の出勤は朝早く、帰宅は夜遅い

わたしの職場は美容室なので、幹部や店長を除いたスタッフはみんな高校や専門学校を卒業したばかりの10代後半から20代前半という若い子たちばかりである。

 

いわゆるアシスタントと呼ばれる彼らは遊びたい盛りの年代ではあるが、開店前や閉店後にレッスンやミーティングがあるため、一日の大半を職場で過ごしている。わたしは美容師志望ではないので営業時間が過ぎてアシスタントに引き継ぎをすれば大体帰れるが、彼らはそうはいかない。先輩や店長たちに片付けや掃除を任せて帰ることは許されないのである。

 

そうなると営業時間にもよるが店を出るのが21時を過ぎるのはザラで、そこから帰宅すると22時前後になるだろう。週休二日制なんて夢のまた夢の業界で、時給換算なんてしない方が幸せなくらいの薄給で、来る日も来る日も仕事。それも立ちっぱなし、動きっぱなし、喋りっぱなしとかなりの重労働を課せられる。

 

現実を見たら負けなのかもしれない

そんな彼らであるが、TwitterやInstagramでは支えてくれる家族や友人、先輩に感謝を伝えたり、日々を面白おかしく生きて楽しんでいるような投稿をしている。仕事の大変さを感じさせず、自店のアピールやお客様を喜ばせたいのだという前向きなメッセージや、誰それと旅行や食事に行ったのだという情報をタレントさながらに実名で発信しているのである。

 

なんと会社に洗脳された意識の高い若者なのだろうとわたしは感心する。しかしそれと同時に最小限の労働しかしたくない、仕事に対して否定的な感情しか持っていないわたしとしては彼らに憐れみを感じてしまう。

 

たまたまわたしの周りがそうなだけかもしれないが、彼らは朝、そこそこ遅刻する。帰るのも遅く疲れているし、仕方ないのかもしれない。寝坊や遅刻を容認するわけではないが、わたしは彼らを責める気になれない。もちろん、朝方まで飲んで遊んでいたから寝坊したと言うのは言語道断である。

 

営業時間を過ぎていてもカラーやパーマなどの施術が終わらずに長引いてしまったとき、彼らはもちろん帰れない。どんなにクタクタでも後片付けをして売り上げをまとめ、一日の業務を終えるまでタイムカードを切ることができない。中には「帰りたい」「辞めたい」と素直に口にする子ももちろんいる。

 

生半可な気持ちで挑むのはおすすめしない

美容師とはなんとなくでなれる、続けられる仕事ではないことは痛いほどに理解できた。身を削ってまで人を喜ばせようとする彼らはわたしとは真逆で、社会に求められる人材なのだろう。

 

わたしはアシスタントの彼らはもちろん、彼らの目指す美容師には天地がひっくり返ってもなれない。疲弊している彼らの愚痴を聞いていたとき「(会社を)変えてください」と言われたが、残念ながらわたしがそこまでする義理も愛着もここにはない。わたし自身も疲れているし、彼らより易しい労働でありながらも日々辞めることしか考えていないからである。

 

この業界で活躍するには野心と体力と根性が必須で、わたしのように費用対効果だの自分の損益しか考えられない人間は速やかに退場するのが吉のようだ。

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