アパートの住人からリンゴをもらった話

仕事を辞めて一カ月が経ち、体重は増えているのに、手足が痩せ細ってきた。

先月よりふくよかになったお腹をつまみ、ああなるほど、筋肉が落ちたのだな、としみじみ思った。いわゆる中年体型に近づいている。

 

少しは運動をするかと思い立ち、雪が止んでいる間に雪かきをしに外に出た。

置き去りにしていた車は完全に雪に埋もれていた。車の上には50センチくらいの雪が積もっていたのである。写真を撮ればよかった。

 

しばらく黙々と雪かきをしていると、「手伝いましょうか?」と後ろから声をかけられた。振り向くと、そこには妙齢の女性がいた。わたしより先に近くで雪かきをしていた、同じアパートの住人だった。断る理由もなかったのでお願いすると、雪かきはかなりスムーズに進んだ。

 

大きなスコップで雪をどかしながら女性とお話した。どの部屋に住んでいるのか、なんの仕事をしているのか、など。わたしが転職活動中なことを伝えると、「なんで前の仕事辞めたの?」と訊かれたのだけど、少し言い淀んだ。

 

仕事に対して給料が安かったから。この理由に尽きるはずだったのに、すぐに口から出なかった。つい先日退職理由を記事にしたのに、わたしはもう忘れかけているのである。多分、どうでもよくなってきているのだと思う。それか、もしかしたら給料のことは氷山の一角にすぎなくて、本当の理由はもっと深く大きいものなのかもしれない。

 

妙齢の女性とはしばらく雑談をしながら雪かきをして、最後には連絡先の交換をした。

リンゴも頂いてしまった。

また会うことがあるかもしれない。

 

部屋に戻って頂いたリンゴの皮をむいた。みずみずしい果肉を食べながら今日の出来事を書き、雪解けのときを待ちわびる。春はまだ来ない。

 

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